最近子育てや人材育成において、「レジリエンス」という言葉を耳にします
「レジリエンス(resilience)」とは、直訳すると「回復力」
そこから、心理学的に「レジリエンス」とは、「困難に直面したときに適応できる力、回復できる力」とされています
(それをもじって、本記事ではレジリエンスを「がんばり力」とします)
レジリエンスのないお子さんは
・物事の一面しか見られない
・柔軟性に欠ける
・やってみよう!と思えない
・自己肯定感が低い
等の特徴があり、困難にぶつかるたびに自信を失いがちになるので、成長するにつれて、生きづらさが増していくことが考えられます
逆にレジリエンスのあるお子さんは
・考え方が多面的
・柔軟性がある
・チャレンジ精神がある
・自分を大切にできる
等の特徴があり、困難な場面においてもうまく気持ちを切り替え、乗り切ることができます
まだ小さいお子さんも、日々生活していく中で、思うに任せない状況に出会います
大きくなればなるほど、困難も大きくなっていきます
いくら勉強ができても、自分に自信が持てなかったり、すぐにめげてしまったりするようでは、困難を乗り越え、生き抜いていくことは難しくなります
学力よりなにより、子どもにはまず、「心を育てる」ことを優先すべき!
心を育て、レジリエンスはもちろん、自己肯定感や自己効力感をはぐくんでいくことを意識するだけで、友人関係や、受験、就活などの大きな困難に出会ったとき、大きな力になります
では、「レジリエンス」を育て、高めるにはどうしたらいいのでしょう?
子育てにおいての方法は、いろいろな本に書かれていますので、この記事では、私がピアノレッスンで気をつけていることをご紹介します
まず、レッスンを始めたばかりのころは、「生徒のことをできるだけ知る」よう努めます
本人にじっくり話を聞いたり、いろいろな話を振って反応を観察したり、親御さんにアンケートを取ったりして、その生徒がどんな生徒なのか(何がうれしくて、何に興味を持っていて、どんなことならがんばれて、何が苦手なのか)把握します
その上で、少しずつ音楽に興味を持ってもらい、生徒の特性に合わせて簡単なことから苦手なことも挑戦できるよう、導いていきます
苦手なことを無理強いはしないけれど、苦手を避けずに少しずつ「やってみようかな」と思えるようにサポートしていきます
これが、「レジリエンスを育てる」ことにつながるわけです
具体的には、「苦手なこと」「できないこと」を細かく分け、小さな単位から取り組ませています
最近の例ですが、リズム打ちで「2拍子」はすぐにできて何回もやりたがるのに、3拍子が苦手でやりたがらない生徒がいました(日本人はたいてい3拍子が苦手です^^;)
2拍子は曲に合わせてかなり速いテンポで、30秒くらい続けて間違いなくできます
3拍子を同じくらいのテンポで長く続けてやらせようとすると失敗するので、このようなケースではそのやり方はNG!
そこで細分化!
3拍子を1小節だけ(「うん・ぱ・ぱ」だけ)ゆっくりやってもらい、1回でもできたらものすごく褒めてあげました。それを、ゆっくり何回も、いろいろな場所を巡りながら(「うん」で両手を打ち合わせ、「ぱ・ぱ」でお部屋の好きな家具等を叩く)、私と一緒に楽しく拍子を叩いていきました
この後、自分から「曲に合わせてやりたい!」と言ってきました^^
少しでもできたら「すごい」「できたね」とほめたり、励ましたりしながら自信をつけるアプローチを続けていくことで、この生徒は他の苦手なことも、自分から、「もっとやりたい!」と言ってくるようになりました^^
このように「量を少なく」「難易度をさげる」「ほめる・励ます」アプローチで、どの生徒も無理なく「苦手」に取り組むことができるようになります
こういった積み重ねが、生徒のレジリエンスを高め、「がんばり力」を育てます
「もっとやってみたい」「挑戦してみたい」「がんばりたい!」と思えるようになれば、本格的なピアノに入ってもメキメキ上達します
少し大変そうな曲が宿題に出たとき「弾ける気がしない」「え~やだな~」と思ってしまう生徒より、「がんばって弾けるようになったら楽しそう」と思える生徒のほうが、日々意欲的にピアノに取り組めますし、どんどん上達して、ピアノが大好きになる可能性が高いです
これからも、ピアノ技術の向上だけではなく、ピアノレッスンを通じて「がんばる力」を育てていきたいと思っています
さくらピアノ教室の指導者は、心理学やコーチングを学び、指導に役立てています
コーチングは2009年〜2010年にかけて、プロコーチ養成期間で132課程を修了し、実技経験も1300時間以上と豊富です
心理学は個人的に勉強し続けています。
2019年度から心理学検定にチャレンジ!
この記事の読者対象は:お子さんがピアノを習っている保護者様/これからお子さんにピアノを習わせたい保護者様(お子様は5才〜小学6年生くらいまでを想定しています)
執筆者:横浜市・磯子区・南区・港南区・上大岡や汐見台からも通える「できたが見える!さくらピアノ教室」さくらみき
教室ホームページはこちら
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