今日から不定期で、「心理学とピアノ指導」についてお話をしていきます。今日は、ピアノの練習不足を心理学に絡めて、レッスンにおいてどのように活用しているのか、当教室においての活用法をご紹介したいと思います
✔︎うちの子、最近ピアノに向かっていない、、、
✔︎練習しなさい!と口を酸っぱくして言っても、言い訳ばかりする
そんなことでお悩みの保護者様、必見です!
さて、お宅のお子さんは、練習不足に対する言い訳、どのようにしてきますか?
「時間がない」でしょうか
「忘れてた!」でしょうか
それとも「難しくてできない!」でしょうか・・・?
ある結果に対して、成功や失敗の原因を考えるプロセスを『原因帰属』といいます
「心理学検定・基本キーワード」より
ワイナー(Weiner)は、所在、安定性、統制可能性の3つの次元で原因帰属を分類しています
簡単にご説明すると
所在・・・原因がその人の内部にあるか、外部にあるか
安定性・・・一時的なものなのか、長期にわたるものなのか
統制可能性・・・自分にとってコントロール可能かどうか
ピアノ指導においても、この理論を活用することができます
全く練習してこなかった生徒が2人いたとします
一人は、普段から比較的やる気が高い生徒
もう一人は、比較的やる気の低い生徒です
普段からレッスンに対する意欲の高い生徒は、十分に曲が弾けていない事実に対し、そうなったら原因を「今週はちょっとサボっちゃって」「いくら弾いてもうまく弾けなくて」のように、自分の内部に求める傾向があります
逆に、普段からレッスンに対する意欲の低い生徒は、「難しくて(難易度が高くて)できなかった」「練習しようと思ったら用事が入った」と、できなかった原因を自分の外に求めやすいです(すべて当てはまるとは限りませんが)
よって、ある課題や目標に前向きに取り組めるようにするには、、、
意欲が高い生徒には、学校や勉強その他の大変さを労い、無理のない曲の進め方を話し合いつつ、すでに習っているテクニックで弾ける部分を探させたり、足りない能力を補ったりするような指導が有効。
ご家庭での対応は、お子さんが忙しすぎないか、余分なことをやらせすぎていないか、悩みはないか、環境の変化についていけているかなど、保護者が気を配り、お子さんと話し合う必要があるかも知れません
意欲が低い生徒には、自分の内部に目を向けさせ、練習不足を自覚させるような働きかけをすることが重要
ご家庭では、ピアノを続けることの意義をお子さんと話し合い、それでも続けるのなら、きちんとピアノと向き合う時間の大切さを言い聞かせます。ピアノに意欲が向かない原因も探ってみてください
指導のポイントとして気をつけていることは、意欲の低い生徒には、いきなり難しい課題を与えすぎると、できなかったときは「難しくてできなかった(だからできなくて当然)」と理由づけしてしまい、努力不足へと認識が向かない傾向にあります
そのような生徒は、
やさしめ〜中程度の課題を与えて、できなかったときはその原因や解決策を考えさせるというステップを踏みつつ、徐々に達成意欲をアップさせることが大事です
理論上はこのような対応が良いとされています
ですが、実は・・・
私は意欲の低い子には、あまり練習しなかった時の原因追求をしません
コーチングや心理学をかじり始めたばかりの方は、このようなシーンでは「原因追求」をしがち(コーチングを学び始めた頃の私もこれで失敗しました)
あるいは、子育て中のお母様も、お子さんを愛するあまり焦ってしまい、原因追求で追い詰めてしまうことも多いですよね(子育て中の私も、これで失敗)
練習しないでレッスンに来た生徒たちは、すでに後ろめたい気持ちを持っているので、さらにそこを深く掘ることは、逆効果
私の中で(たぶん原因はあれだな)と検討をつけたら、口に出すのは、『今後どうするか』だけです
それを生徒の口から引き出すようなアプローチをしていきます
このように、人間は生きているので、理論通りにいかないことも多々あります
ピアノレッスンはマンツーマンだからこそ、短期的かつ長期的に、それぞれの意欲や能力、適性を見極めながらアプローチすることができます
理論を学ぶことと、それを実際に役立てること
うまくバランスをとりながら、これからもレッスンしていきたいと考えております
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さくらピアノ教室の指導者は、心理学やコーチングを学び、指導に役立てています
コーチングは2009年〜2010年にかけて、プロコーチ養成期間で132課程を修了し、実技経験も1300時間以上と豊富です
心理学は個人的に勉強し続けています。
2019年度から心理学検定にチャレンジ!
去年はコロナで試験自体が中止だったのですが、今年は開催されるようです。
まずは2級取得目指して頑張ります!
この記事の読者対象は:お子さんがピアノを習っている保護者様/これからお子さんにピアノを習わせたい保護者様(お子様は5才〜小学6年生くらいまでを想定しています)
執筆者:横浜市・磯子区・南区・港南区・上大岡や汐見台からも通える「できたが見える!さくらピアノ教室」さくらみき
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